アマ・ダブラム
2024/10/12-11/06
旅程寸描
初めてネパールの山々をじかにこの目で見たのは2018年の「エベレスト街道」の旅のときのこと。この旅の主たる目的はロブチェ・イーストへの登山とエベレスト・ベースキャンプでの2泊3日の滞在でしたが、旅の途中でとりわけ強い印象を残したのは、旅の早い段階から視界に入り、さらにディンボチェでは正面から見上げることになったアマ・ダブラム（6812m）の優美にして力強い姿でした。誰もがその個性的な美しさを讃え、そして技術的見地からは「エベレスト登山よりも難しい」とも言われるこの山は、初めてその姿を写真で見た1998年以来ずっと私にとって憧れの山であり続けてきました。
エベレスト街道への旅を終えて、次にまとまった時間がとれる4年後にはぜひともアマ・ダブラムを目指したいとそのときから思っていたのですが、間にCOVID-19をはさみつつ計画から2年遅れの今年、前回お世話になったアドベンチャーガイズ（以下「AG社」）がアマ・ダブラムを目指す公募隊を出すことを知り、早速申込みを行いました。ところが……。
蓋を開けてみたら応募したのは私を含めて2人だけだったようで、しかも私以外のもう1人が途中でキャンセルしたために参加者は私だけになってしまいました。これではよほど切り詰めないとAG社に足が出てしまうので催行中止になってもおかしくなかったのですが、ありがたいことにAG社からの提案は、次の条件を受け入れられるなら催行するというものでした。
- 公募隊は私とツアーリーダーの2名で組む。
- 現地でAG社提携のガイドチームが募集している他のメンバーとベースキャンプ等を共有するかもしれない。
- ツアーリーダーはアマ・ダブラムの前に実施するマナスル公募隊のツアーリーダーが担当する。
これがネパールを訪れる最後の機会だと思っている自分に異存があろうはずはなく、ただちにこの提案を受諾し、かくしてどうにか無事にネパールを目指すことになったのでした。
行程表
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| 日付 | 行程 | |
|---|---|---|
| 2024/10/12 | 成田からカトマンズへ。 | |
| 2024/10/13 | カトマンズから自動車でマンタリへ。 | |
| 2024/10/14 | マンタリに停滞。 | |
| 2024/10/15 | マンタリから空路スルケ（標高2230m）へ、さらに徒歩でチェプルン（2680m）へ。 | |
| 2024/10/16 | チェプルンからナムチェバザール（3480m）へ。 | |
| 2024/10/17 | ナムチェバザールからクンデを経てクムジュン（3760m）へ。 | |
| 2024/10/18 | クムジュンからパンボチェ（3940m）へ。 | |
| 2024/10/19 | パンボチェからディンボチェ（4300m）へ。 | 高度順化 |
| 2024/10/20 | ディンボチェの背後の尾根を標高5030mまで上がる。 | |
| 2024/10/21 | ディンボチェからパンボチェに戻り、アマ・ダブラムBCロッジ（4530m）へ。 | |
| 2024/10/22 | アマ・ダブラムBCロッジからBC（4570m）へ。 | |
| 2024/10/23 | BCからC1（5780m）へ上がって宿泊。 | 高度順化 |
| 2024/10/24 | C1からC2（6000m）手前まで上がってからC1を経てBCへ戻る。 | |
| 2024/10/25 | BCでプジャとレスト。 | |
| 2024/10/26 | ||
| 2024/10/27 | BCからC1へ上がって宿泊。 | サミット |
| 2024/10/28 | C1からC3（6340m）へ上がって宿泊。 | |
| 2024/10/29 | C3からアマ・ダブラム（6812m）に登頂し、C1まで下る。 | |
| 2024/10/30 | C1からBCへ下る。 | |
| 2024/10/31 | BCからパンボチェへ。 | |
| 2024/11/01 | パンボチェからモンジョ（2830m）へ。 | |
| 2024/11/02 | モンジョからルクラ（2850m）へ。 | |
| 2024/11/03 | ルクラからスルケへ下りて、空路カトマンズへ。 | |
| 2024/11/04 | カトマンズ滞在。 | |
| 2024/11/05 | パタン観光。深夜、カトマンズ発。 | |
| 2024/11/06 | 帰国。 | |
〔補足〕
- 2024/10/14：マンタリで停滞したのは、天候不良により飛行機が飛ばなかったためです。
- 2024/10/19-21：パンボチェからただちにアマ・ダブラムBCへ上がることもできるのですが、ここではいったんパンボチェよりも奥にあるディンボチェまで進んで5000mの薄い空気に身体を慣らし、その上でパンボチェに戻っています。
- 2024/10/21：BCに入る前日にアマ・ダブラムBCロッジに泊まっていますが、これは物資搬送の遅れからこの時点ではBCが未完成だったためです。