ディンボチェ滞在

2024/10/20

△08:15 ディンボチェ → △11:00-20 背後の丘 → △12:35 ディンボチェ

朝、 外に出てみるとかすかに雪混じりの小雨が降っていました。

ブレックファーストセットとブラックコーヒーの朝食をとってから、それでも予定どおり高度順応のためのハイキングに出発です。

ディンボチェからロブチェ方面へ向かうヤクの群と共にディンボチェの背後の尾根上を目指して登ると、幸いなことに徐々にガスがとれて見晴らしがよくなってきました。

尾根上からはクーンブ・コーラ方面の眺めが一気に広がり、その右岸にそびえるタボチェ(タウチェ)とチョラツェの姿が見事です。この2峰のうちタボチェの方は、この後アマ・ダブラムBCに上がってからも毎日拝むことになりました。

イムジャ・コーラの上流方向には、黒々としたアイランドピークの姿。

彼方のマカルー(8463m)をバックに颯爽と斜面を歩く「マカルーガール」(国籍不明)。

もちろんアマ・ダブラムの姿も雄大ですが、山頂のガスの湧き具合を見ると相当な強風が吹いていそうです。そしてその足元には、今まで気づいていなかった緑の大きな池がありました。2018年4月にディンボチェからこの尾根を登ったときにも同じ角度でアマ・ダブラムを眺めているはずですが、この池のことが記憶に残っていないのは、忘れているだけか雲に覆われていたか、あるいは春にはここはまだ雪の斜面だったからかもしれません。

尾根上のギャップの手前で登高終了。GPSで確認するとここは標高5030mで、地図を見るとギャップの向こう側に間近に見えている尾根上のピークには「Nangkartshang(5073m)」という記載がありました。このギャップを越えてあそこに到達するのはなかなかに難儀なことでしょうが、こちら側からでも十分に魅力的な展望が広がっています。

しかし、さすがに一気に700m以上も標高を上げたのでかすかに頭が締め付けられるような感覚がしていて、まるで孫悟空の頭の輪っかのようだなと思ったのですが、その輪っかの名前がどうしても思い出せません。觔斗雲や如意棒(如意金箍棒)は覚えているのに、さては高度障害のせいで頭が回らなくなったか……と悶々としたのですが、ロッジに戻ってから調べたところこれは緊箍児きんこじというのだそうで、さすがにこれは度忘れしたのではなくそもそも知らない知識でした[1]

閑話休題。薄い空気に身体をさらすために最高所で15分ほどを過ごしてから、下山にかかります。左のイムジャ・コーラと右のクーンブ・コーラの合流点に向かって伸びる尾根筋をぐんぐん下る途中では、我々の後から登ってきた大勢の登山者たちとすれ違いました。

どうか首尾よくあの山に登れますように(祈)。

昼過ぎにロッジに帰り着き、ミックスヌードルのランチをとった後に待望のシャワーを浴びました。こうしたロッジのシャワーはいくら待っても温度が上がらないということが少なくないのですが、ここはシャワー室内のガス給湯器からダイレクトに熱々のお湯が出てくれて無上の幸福感を得ることができました。おかげですっきりさっぱりの身体になって自室で読書の時間を過ごした後、夕食はマイルドな辛さのチキンカレーをチョイスしました。

チリンと優斗はBCスタッフ隊と随時連絡を取り合いながら行程管理を行っているのですが、計画では我々は明日パンボチェ経由でアマ・ダブラムBCに上がることになっているものの、資材運搬の遅れが続いているためにBCに上がってもテントが立っていないので、予定を変更して明日はアマ・ダブラムBCロッジに泊まることになりました。しかも、BCスタッフたちは明日にはBCに入れそうだとは言っても装備の一部はまだナムチェにあってゾッキョで運ぶのに時間がかかる可能性があり、遅れが続けば明後日もロッジ泊ということになるのだそう。なかなか計画どおりに物事が進みませんが、これがヒマラヤというものです。

脚注

  1. ^「知らない知識」だと思っていたら、2015年に観た京劇のレポート(書いたのは私)の中にこの名前が出ていた。やはり高度障害の影響だったのか、それとも加齢に伴う記憶力の減退か……。
  • Hatena::Bookmark