スリー・パス・トレック

2025/10/31-11/22

旅程寸描

▲ゴーキョ・リから見たエベレスト方面の夕景色。(2025/11/14撮影)

◎本稿での峠・ピークなどの標高は、ネット上の各種資料を見比べてなるべく信頼性が高いと思われるソースを選び、これに準拠しています。このため、地図に記された標高とは異なることがあります。

昨年アマ・ダブラムを登った後、その山行が十分に充実していたことと、やはり肉体的にはつらいものだったこととが相俟って「ネパールはもうこれで終わりにしよう」と思ったのですが、喉元過ぎればナントカで、日がたつにつれてあの空気の薄い世界を再び歩きたくなってしまいました。

しかしピークハントは自分の中ではアマ・ダブラムですでに完結しているので、今回はのんびりと日数をかけて歩きたいと思いながらルートを検討した結果、セレクトしたのはエベレスト街道の峠越えトレイルをつなぐ「スリー・パス・トレックThree Passes Trek」と呼ばれるトレッキングです。この「スリー・パス」とはエベレスト街道の奥地にあるコンマ・ラ(5535m)、チョ・ラ(5420m)、レンジョ・ラ(5360m)の三つの峠のことで、ナムチェバザールを扇の要とし約2週間をかけてこれらを東から西へと次々に越えながらこの地域をぐるっと周回することになります。さらに、トレッキングの途中でチュクン・リ(5546m)、カラ・パタール(5645m)、ゴーキョ・リ(5357m)の三つのピークとアマ・ダブラム・ベースキャンプ、エベレスト・ベースキャンプ、チョ・オユー・ベースキャンプの三つのベースキャンプ(以下「BC」)にも足を伸ばす、欲張りな計画を立てました。

このプランを持って昨年お世話になった「グレイシャー・ヒマラヤGlacier Himalaya Treks & Expedtions」(以下「GH社」)のダデンディDa Dendi Sherpa社長(以下「デンディさん」)に打診を開始したのは今年の1月、自分の中で「GO」を出して正式に申し込んだのは4月。そこから半年間、もはや宿痾と言っていい首・肩痛(頸肩腕症候群)の悪化に見舞われつつ、細々と登山を続けながら旅の始まりに備えたのですが、ネパールでは9月にZ世代によるデモ活動が燃え上がった上に、出発直前の10月末にクーンブ地方を例年にない悪天候が見舞い、トレッカーが雪でルート上に閉じ込められたりヘリコプターが事故を起こしたりといった予想外の事態が発生します。今回、登頂という必達目標はないにしてもそれなりに意欲的なプランを立てたつもりでしたが、これらの事柄がどこまで影響することになるか見通せない不安を抱えたまま、成田空港を飛び立つことになりました。

その結果は、以下の行程表のとおり(当初の計画と実績との対比は〔こちら〕)です。

行程表

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日付 行程
2025/10/31 成田からクアラルンプール経由、カトマンズへ。
2025/11/01 カトマンズ滞在。
2025/11/02
2025/11/03 カトマンズから空路ルクラへ、さらに徒歩でモンジョへ。
2025/11/04 モンジョからナムチェバザールへ。
2025/11/05 ナムチェバザールからパンボチェへ。
2025/11/06 パンボチェからアマ・ダブラムBC(4570m)を往復。
2025/11/07 パンボチェからディンボチェへ。
2025/11/08 ディンボチェからチュクンへ。さらにチュクン・リの途中まで往復。
2025/11/09 チュクンからチュクン・リ(5546m)を往復。
2025/11/10 チュクンからコンマ・ラ(5535m)を越えてロブチェへ。
2025/11/11 ロブチェからゴラクシェプ経由カラ・パタール(5645m)を往復。
2025/11/12 ロブチェからゾンラへ。
2025/11/13 ゾンラからチョ・ラ(5420m)を越えてダグナへ。
2025/11/14 ダグナからゴーキョまで。さらにゴーキョ・リ(5357m)を往復。
2025/11/15 ゴーキョからゴズンパ氷河上流の5th Lakeを往復。
2025/11/16 ゴーキョからレンジョ・ラ(5360m)を越えてルンデへ。
2025/11/17 ルンデからナムチェバザールへ。
2025/11/18 ナムチェバザールからルクラへ。
2025/11/19 ルクラから空路マンタリへ、さらに陸路でカトマンズへ。
2025/11/20 カトマンズ滞在。
2025/11/21 バクタプル観光。深夜、カトマンズ発。
2025/11/22 クアラルンプール経由、帰国。