出発
2025/10/31
旅の始まりはいつもの成田空港から。昨年はカトマンズへ直行するネパール航空で飛びましたが、今年はそれよりずっとリーズナブルなお値段のマレーシア航空のクアラルンプール乗継便です。


荷物の方も昨年に比べればぐっとコンパクト。登山道具(靴・衣類など)を詰め込んだ100リットルリュックサックを預け荷物とし、機内持込みはMacBook Airとモバイルバッテリーを中心としてデイパックで運びますが、今年もお世話になるデンディさんと昨年お世話になったチェパのために免税店で買い求めた日本酒がここに加わります。直行便なら何も気にせず買えるお酒(液体)も、乗継ぎがあるとなると保安検査で引っかかる恐れが生じますが、買い求める際にお店の人に「KULで乗り継いでKTM行きです」と告げるとSTEBs(Security Tamper-Evident Bags=不正開封防止袋)に入れてくれて、これで没収の心配はなくなりました。


1998年のキナバル以来のマレーシア航空は第2ターミナルから。すっきりしたシルエットのバジュ・クルン(マレーシアの女性用民族衣装)に身を包んだ客室乗務員さんがにこやかに迎えてくれて、おおむねオンタイムで離陸しました。


ランチのメニューはチキン2種と魚1種で、チキンの売れ行きが良さそうだったのであえて魚を選んでみたところ、味はなかなかですが長粒種のご飯はやはり日本の感覚からするとパサついた感じです。またマレーシアはイスラム教国なので、礼拝の時刻が近づくと残り時間と方角とが示されます。2023年にシャモニーに向かったときに乗ったエミレーツ航空でもキブラコンパスが表示されていましたが、こういう親切設計はイスラム教国の航空会社では当たり前のことなのでしょう。


広大なクアラルンプール国際空港での乗継ぎに際しては二つのターミナルを結ぶエアロトレインでの移動を伴い、さらにゲートごとに設けられている保安検査場を通過しなければなりませんでしたが、STEBsのおかげで何事もなく通過することができてほっと一息。


夕日の中を飛び立った飛行機がカトマンズのトリブバン国際空港に降り着き、空港を出て出迎えのデンディさんと、別の客の出迎えで一緒にいたチェパと対面したのは22時頃です。二人との1年ぶりの再会を喜び、お土産の酒を渡してからすぐにタクシーに乗ってデンディさんと共にホテルに向かいましたが、道中でデンディさんから「明日一番の飛行機でルクラに飛ぶように」と言われたときには目を白黒。あらかじめ私の方で立ててデンディさんと共有していた行程表では明日はレストの日としていたので、これは思いがけずせわしないことになりました。もっとも、エベレスト街道の難所は実は天気の良し悪しに大きく左右されるカトマンズからルクラへの空路で、飛べるときに飛ばないと次はいつ飛べるかわかりません。実際、ここ数日カトマンズ〜ルクラ間のフライトが止まって双方に滞留客が生じている状態だそうで、このため天気予報が悪くない明日を逃すまいとこうした強行スケジュールになったのだろうと推察しました。


毎度おなじみフジホテルに着いて、今回の旅を案内してくれる若い(34歳)ガイドのソナムSonam Sherpaと顔合わせを行い、部屋の鍵を受け取ったらいったんデンディさんたちとはお別れですが、翌朝のロビーでの待合せは6時間後の午前4時40分です。荷物をいったん広げて「自分で背負うもの」「ポーターさんに持ってもらうもの」「カトマンズにデポするもの」に仕分けし直して、やっと就寝したのは午前1時。本当は、今日はのんびり寝んで明朝はこのホテルのおいしいビュッフェ朝食を堪能するつもりだったのに。