出発

2023/06/16

過去5回のシャモニー行でのジュネーヴへの経由地はパリ、イスタンブール、ミュンヘン、ワルシャワ、チューリッヒと見事に毎回違いますが、今回はドバイ経由です。

エミレーツ航空の飛行機に乗るのは2001年のキリマンジャロツアー以来。あのときはアクシデントによりドバイに1泊することになり、図らずもドバイ観光ができてしまったのですが、今回は順調に飛んでほしいものです。

羽田を深夜に飛び立つ便だったので、最初の食事が終わったら爆睡していたのですが、ふと気がつくとインド上空での夜明けの景色が機窓の向こうに広がっていました。お日様の左のぎざぎざは、おそらくヒマラヤの高峰が連なっている姿です。どのピークがどの山かということを特定することはできませんでしたが、眠気を忘れてしばらくじっと見惚れていました。

すっかり目が覚めてしまったので映画でも見るかと選んだのは「DUNE」。既に見たことがある映画なので音は聞かず映像美だけを味わっていたのですが、おかげでやがて到着したドバイの大地は惑星アラキスに、広大な空港はアラキーンのスペースポートに見えてしまいました。しかし、羽田を定刻より遅れて出発した影響で乗継ぎのための時間はぎりぎりで、ほとんど間髪入れずという感じでジュネーヴ行きの便に乗り込むことになりました。

ところで、さすがはイスラムの航空会社。飛行中も礼拝の時刻になったらメッカのカアバ神殿に向かって礼拝することができるようキブラコンパスが表示されます。最初は「これは何?」と不思議だったのですが、2回目に表示されたときに「なるほど」と得心がいきました。そういえばエコノミー席の右側最前列3席が空けられていたのは、礼拝を行おうとする乗客のためだったのかな?

ジュネーヴからはAlpyBus(乗合バス)でシャモニーに向かうことになりますが、空港内のAlpyBusのカウンターの位置が昨年とは違っていて、ギターを抱えたロボットが近未来的な雰囲気を醸し出すモントルー・ジャズ・カフェのすぐ横に移っていました。

かくしてシャモニーの「Hotel Richemond」に着いたのは現地時間で18時過ぎ。当地と東京とでは時差が7時間あるのでほぼ丸一日をかけての移動でした。ホテルの中に入るとカウンターではいつものマダムが接客中でしたが、こちらの顔を見てすぐに片手を上げ「○○○サーン!」と私の名前を呼んでくれました。部屋の窓から見るモン・ブランの姿も昨年と同様で、これを見てほっと一息をつくことができました。明日は高度順化の日、そして明後日からクライミングの始まりです。