帰国
2011/07/23-24
最後の日のアイガーはこんな感じで、天候に恵まれなかった今回の山旅のダメ押しのような空でした。朝食をとってから、グリンデルワルトを9時すぎの列車に乗ってインターラーケンへ。そしてベルン経由でチューリッヒ国際空港へと往路を逆に辿りました。来年の夏には、再びこの道をグリンデルワルトへ向かうことを誓いながら。
参考情報
地形
グリンデルワルト周辺の地形は上の鳥瞰図で示されることが多いのですが、アイガー北壁が正面に見えていることからわかるようにこの鳥瞰図は北から南を見たものになっているので、たまに北を上にした普通の地図と並べると若干混乱してしまいがち。それでも、一度高い場所(フィルストやメンリッヒェンなど)に上がってみれば、地形の概念をつかむことは容易です。また、ハイキングマップは上の図にハイキングルートを加筆したものがスポーツセンターなどで入手できますが、当然ながら高峰のクライミングルートに関する情報は含まれていません。したがって、アイガーやメンヒ、ユングフラウの地形を頭に入れるためにはちゃんとした地形図を購入する必要があります。駅の近くの売店には「Grindelwald」と「Jungfrau Region」の2種類の25,000分の1の地形図があって、後者の方がカバーエリアが広くお値段も張りますが、三山を含んでいるのは後者です。
それにしても不思議なのは、グリンデルワルトの交通量です。ツェルマットが電気自動車以外は走れず町中はいたって静かなのに対し、ここグリンデルワルトではひっきりなしに自動車が行き交っています。自動車は右側通行なので、黄色いペンキで示された横断歩道を渡るときは「左見て右見て」の順でないとちょっと怖い目を見ることになりますが、それにしても鳥瞰図が示すようにグリンデルワルトはなだらかな谷筋の中途にあり、その先のどこかへ抜けるという位置にはないと思われるのに、あれだけの車はどこからどこへ向かっていたのでしょうか。
装備
スポーツセンターから指定されたアイガー登山用のギアは、次のとおりです。もちろん現地でのレンタルも可。
- Clothing
- a suitable all-weather anorak and light alpine pants
- thermal underwear short/long
- spare underwear
- gloves
- warm and comfortable functional clothing
- hiking socks(1 spare pair)
- wollen cap/headband
- sun cap
- The basics
- good sun glasses
- Thermos flask, drinking bottle
- pocket knife
- good sunscreen lotion and lipstick
- headlamp with spare battery
- toiletries
- Technical equipment for Alpine and summit tours
- sturdy mountaineering boots that can take crampoms
- crampons with Anti-snow plates
- gaiters
- Harness and HMS carabiner
- ice axe
- Further Technical equipment
- climbing helmet
- sling strap 120cm 1 piece
そして、これらのリストを記した説明書には「Please be careful not to pack too much...」と書かれていました。なるほど。
結局出番のなかった、かわいそうな私のギアたち。
牛の王国
なだらかな斜面に広がる牧草地上には、必ずと言っていいほどいる牛たち。それも、首からぶら下げているカウベルがカランカランと音をたてているので、存在感抜群です。それにしても、彼らはなぜ例外なく私の方をじっと見るのか……。
雨の日の過ごし方
雨に降られた山屋は、陸に上がった河童と同じく、指をくわえてなすすべもなくホテルの窓から空を見上げているしかありません……と言ってしまっては身も蓋もないので、グリンデルワルトでの雨の日の過ごし方を考えてみました。
まず、王道(?)はボルダリングでありましょう。スポーツセンターの中には、小さいながらもちゃんとしたボルダリングジムがあります。入口を入ってすぐ右の受付で「ボルダリングしたいんだけど。シューズも貸してくれる?」と頼めばOK。レンタルシューズの品揃えもそれなりにあります。
日本語が使える観光案内所もあるので、そこでアドバイスを得るのもよいかもしれません。例えば、インターラーケンまで下ってウィリアム・テルの劇を観に行くというのも良さそうなプランで、観光案内所ではチケットの手配をしてくれます。お買い物というのももちろんアリですが、グリンデルワルトには意外にめぼしいお土産ネタがありませんでした。それでも、土産物店の中はたいがい東洋人でごった返していましたが。
後は、ふてくされてホテルの自室でテレビを見るくらいです。大草原の小さな家に住むローラも長くつ下を履いたピッピも、ここスイスではきれいなドイツ語をしゃべっていました。この少女たちの語学能力には脱帽です。
料理番組も何種類も放送されていましたが、西欧人の料理にかける情熱の高さは私には理解不能です。食材の使い方もかなり無駄があってエコではないのも気になります。かたや、究極のエコスポーツである自転車ロードレースのツール・ド・フランスも連日放送されていました(それも独・仏・伊の3チャンネルで)し、ちょうど私がグリンデルワルトに滞在していた間に行われた女子サッカーW杯でのなでしこJAPANの活躍も、TSUNAMIというキーワードを引き合いに何度も紹介されていました。
左上のような大人のドラマや、右上のようなもっと大人の番組もありました。ちなみにこの「もっと大人」の番組は、なぜか午前5時台の放送です。
毎日飽きることなく眺めたのは天気予報です。この白いもやもやが、次回グリンデルワルトに来たときにはすかっと消えていてほしいものです。しかし、今年首尾よくグリンデルワルトでのクライミングを終えたら来年はシャモニーへ行こうと心に決めていたので、今回の悪天候はそれを見透かしたスイス観光局の陰謀ではないか?とちょっと疑っています。