出発

2003/07/17

木曜日、成田空港を午前10時半発のスイス航空LX4281便で離陸。ヨーロッパへ向かうのはずいぶん久しぶりです。約12時間のフライト中に見た映画は『Daredevil』と『Kangaroo Jack』で、まぁどちらも面白いといえば面白いのですが、妙に正義派ぶっている前者よりはB級コメディーに徹している後者の方が自分にはベターです。長時間座りっぱなしの一人旅にいいかげん退屈した頃に飛行機は機体を下げはじめ、雲の海をかき分けたと思ったら10分でチューリッヒ国際空港に着陸しました。サマータイムのスイスと日本とでは7時間の時差があり、こちらは同じ日の15時半での到着です。

入国審査はパスポートを見せるだけ。審査官に「コンニチワ」と言われて3秒で終わりで、早速円をスイスフラン(CHF)に両替しました。ガイドブックの記述からCHF1はだいたい80円と思っていたのに、今日の交換レートは92円弱。日本経済しっかりしろ!と政府の無策を内心憤りながら、建物の中をしばし移動して地下の列車を探しました。

切符は自動販売機で売っており、最初はどうやって切符を買うのか他人の様子を覗き見していましたが、チューリッヒ中央駅まではボタン一つで買えて簡単でした。スイスの列車には改札口というものはなく、切符を買ったらそのままホームに降りて行ってそのまま列車に乗り込めます。ちょっと暗めのホームには2階建ての大きな列車が止まっており、ドアは自分で列車についているボタンを押して開ける仕組み。約10分で列車はチューリッヒ中央駅に到着し、やはり改札口のない作りに慣れないものを感じながらそのまま駅の外に出ました。

今日はチューリッヒ市内までの移動で、駅から歩いて数分のこじんまりとしたホテル・モンタナに投宿です。受付のお姉さんにチューリッヒの町の地図をもらいはしましたが、部屋に着くともう外に出る気にはなりません。やがてツェルマットで半日アテンドしていただくことになっているパウダーバーン・オーバーシーズ社のIさんからあらかじめ約束してあった電話が入り、翌日、ツェルマットに予約してあるホテルで落ち合うことにしましたが、ここで、火曜日以来閉鎖されているヘルンリ稜が週末にはオープンしそうだとのうれしいニュースに接することができました。

夜はぼんやりテレビを見て過ごしましたが、それにしても夜がなかなか更けません。緯度からするとスイスはサハリンに相当するそうですが、いつまでたっても暗くならない(結局、22時頃まで外は明るいまま)ことに違和感を覚えながらイタリア語チャンネルでアメリカの西部劇『ボナンザ』の吹替え版をなんとなく見ていたところ(言葉はわからなくてもストーリーはわかるものです)、最後にそのテーマ曲がかかって積年の謎が一つ解けました。

イギリスのバンドThe PoliceのSynchronicity Tourの模様を収めたライブLDは、ミュージシャン3人のエキサイティングな演奏とGodley & Cremeによるスタイリッシュな映像で愛聴盤の一つなのですが、アンコールのためにステージに戻ってくるときにベーシストのStingがお遊びで二つのメロディを弾きながら登場します。そのうち最初の方がプロコフィエフの「ピーターとおおかみ」の猫のテーマであることはわかっていたもののもう一つが何なのかわからないままだったのですが、それがまさにこの『ボナンザ』のテーマだったというわけです。

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