塾長の渡航記録

塾長の渡航記録

私=juqchoの海外旅行の記録集。遺跡の旅と山の旅、それに諸々の物見遊山。

出発

2008/12/26

仕事納めの日に年休をとって、快晴強風の金曜日正午に渋谷マークシティから成田空港行きのリムジンバスに乗り込みました。バスがレインボーブリッジを渡るときには幅広い水路の奥に会社のビルが立っているのがよく見えて、同僚たちに心の中で「一足お先に休みをいただきます」と声を掛けました。ずいぶんとさっぱりしてしまった成田空港の出国ロビーで諸々の手続をしていよいよ出発ですが、毎度のことながら荷物は機内持込み手荷物の肩掛けバッグ一つだけと軽装です。

飛行機が安定した高度に達したところで、これもいつものように映画鑑賞タイムとしました。アメリカまでの道中で観たのは次の4本です。

Journey to the Center of the Earth
言わずと知れたジュール・ヴェルヌ原作『地底探検』の2008年のリメイク。これだけ見ればツボを押さえた面白い映画だと評価できますが、あえてリメイクする必然性までは感じられませんでした。
WALL・E
ピクサーとディズニーによる作品。言ってみればロボットの純愛ものにノアの方舟の神話を組み合わせたような話なのですが、これは凄い。WALL・EやEVEがほんのちょっとした仕種や目の角度でさまざまな感情を表現する繊細さと、映画『Independence Day』も真っ青の迫力の宇宙船描写。宇宙空間でのダンスシーンはあくまでも美しく、最後はほろりと泣かせます。これは大人にも子供にもおススメ。
Mamma Mia!
これはダメでした。登場人物が騒がしいだけでリアリティが感じられない、インド映画みたいなテイストのミュージカル。昔見た劇団四季の舞台はよかったのですが……。ただし、メリル・ストリープが苦手だということと、吹替え版で見てしまった(よって台詞は日本語、歌は英語というモザイク状)ことによる不自然さという点は割り引いてあげないとフェアではないかもしれません。
The Last Samurai
明治の日本の自然の美しさを見事に描きだした映像美に惹かれました(といってもロケ地はニュージーランド)。トム・クルーズも渡辺謙も好演技でしたが、七之助丈演じる明治天皇が日本刀を渡されて武士道の尊さに感銘を覚えるという設定は無理があると思います。天皇は武家階級ではありませんから。

映画ばかり見ている(その合間には食べてばかりいる)とさすがに疲れてくるのでチェスゲームなんぞもやってみましたが、レベル「Medium」ではときどき素っ頓狂な手を指してくるので「Hard」にしてみたら、わずか数手目でフリーズしたみたいに考え込んでしまいました。オープニング定石は最もオーソドックスなRuy Lopezなのに……。

コロラド上空でかなり激しく揺れて怖い思いもしましたが、どうにか無事にヒューストンに到着。iPodの自動販売機にびっくりしながら、乗継ぎまでの時間を潰しました。

メキシコシティの上空に着いたのは夕暮れ時でした。眼下には、周辺も含めると2,000万人に達する人口を擁する巨大高原都市メキシコシティが広がっています。

空港まで出迎えに来てくれていたのは、セサールという名前の愛想の良い男性でした。「○○せざるを得ない」のセサールですと自己紹介していましたが、日本語がとても流暢です。他にタガワさん・アオキさんペアと一緒になって、ホテルに向かいました。車中でセサールが与えてくれたメキシコシティでの諸注意は次のとおりです。

  • 地下鉄なら、どこへ行くにも2ペソ。
  • ホテルの前に停まっているタクシーはOK。
  • 流しのタクシーは金色なら大丈夫だが、緑のワーゲンは避けるように。
  • コンビニはOXXOとセブンイレブンがあります。
  • 総じて治安はいいが、必要なお金だけを持つように。

そんな話の途中で屋台の市場のようなところの横を通り過ぎましたが、暗くなっていてもかなり賑わっています。そういえば今日はクリスマス直後ですが、セサールの言によればメキシコではクリスマスには子供に服を贈る習慣があるのだそうで、プレゼントを買い損ねた(または安値になるのを待っていた)親たちが獲物を物色していたようです。ともあれ無事にこの旅の最初の宿であるホテルREGENTEにチェックインして、やっと身体をゆったり伸ばせるようになりました。明日からは移動とショートトリップの日々が続きますから、とにかく身体を休めておかなくては。