塾長の渡航記録

塾長の渡航記録

私=juqchoの海外旅行の記録集。遺跡の旅と山の旅、それに諸々の物見遊山。

メンリッヒェン〜ウェンゲン / クライネ・シャイデック〜アルピグレン

2012/07/09

相も変わらず不機嫌な、今朝のアイガー。

この朝、日本の旅行代理店からFAXが入っていて、Eチケットとチューリッヒでのホテルのバウチャー、それに行程表は再び手に入れることができました。しかし、ユングフラウ・パスのバウチャーは残念ながら再発行不可です。

仕方なく、駅まで行ってCHF220も出してユングフラウ・パスを購入しました。えらく高いけれど、これがあるとないとでは行動の自由がまるで異なってきますから。やれやれ……。

そうとなれば使わにゃ損。実は、当初はメンリッヒェンまで歩いて登ろうかと思っていたのですが、予定を変えてゴンドラに乗ることにしました。

ゴンドラが高度を上げる途中で、雲間にアイガーの白い山頂がちらりと見えて感動しました。この神々しい姿を見ることができただけでも、ゴンドラに乗った価値があったというものです。

メンリッヒェンの展望台からは、ラウターブルンネンの谷がきれいに見下ろせました。谷の奥(左上)には、ユングフラウに連なるブライトホルンも見えています。

滝に虹がかかっていて、とても綺麗。いずれはあの滝の下にも行ってみたいものです。

ここからどこへ向かうという計画は持ち合わせていなかったのですが、とりあえずメンリッヒェンから手近のピークへ足を伸ばしてみることにしました。緑の斜面に見えている道も楽しそうです。

ピークから振り返ると、ユングフラウの山頂が見えています。その右下、銀白色に輝いているすっきりしたピークは見た目のとおりのシルバーホルンです。

先ほど斜面に見えていた下降路を下ってみることにしました。歩いてみると思ったよりも急な斜面で少々緊張しましたが、高山植物の黄色やピンクには癒されます。

この柵の頑丈さ!人の転落を止めるためではなく、牛を止めるためなのかも?

ジグザグに下るうちに傾斜が緩んで、ウェンゲンの町が近づいてきました。

ウェンゲンの町に到着。牧歌的な景観が広がります。

ちょうど駅に停車していたクライネ・シャイデック行きの列車に乗りました。これもユングフラウ・パスがあれば無料で乗ることができます。

徐々に高度を上げていく登山鉄道。この路線の車両は、グリンデルワルトからクライネ・シャイデックまでのものに比べて一回り小さい(狭い)感じです。

高度が上がると、車窓いっぱいにユングフラウの大きな山体の眺めが広がりました。

クライネ・シャイデック駅に到着。グリンデルワルト方面へ下る場合はここで乗り換えです。

しかし、天気ももちそうだし時間もまだあるので、アルピグレンまで歩いて下ることにしました。この道の魅力は、何といっても正面遠くに見えているグローセ・シャイデックのダイナミックな眺めです。

ハイキング道の横で、怠惰に寝そべっている牛たち。

……通してもらってもいいでしょうか?

アルピグレン駅から列車に乗りグリンデルワルトまで下って、約束通り15時にgrindelwaldSPORTSを訪ねました。カウンターに出てきてくれた美人スタッフのナタリー(仮)の、少し気の毒そうな顔をしながらのご託宣は「明日のメンヒは行けそう。明後日は雨の予報なので、その日予定しているユングフラウはメンヒ登山後に現地でガイドと相談して下さい」。その上で、ガイドの名前と待ち合わせの場所・時刻を教えてくれました。

計画の全てをこなすことは難しそうですが、とにかく昨年のような収穫ゼロとはならないことがわかってほっとしながらgrindelwaldSPORTSを出て、町で装備の補充をすることにしました。

まず向かったのはカメラ屋さん。ここまでiPhoneで写真を撮っていましたが、ちゃんとした山登りとなればそれですますわけにはいきません。駅から徒歩5分ほどのショップに入ってご主人らしき人物にカメラを買いたい旨を告げると、若く陽気な店員が出てきてカメラを並べてくれました。コンパクトなデジカメは3種類あって、メーカーはソニー、ソニー、キヤノン。私のチョイスはキヤノンのPowerShot A810で、これに4GBのメモリーカードを加えて購入することにしました。若い店員は、私が買ったカメラの設定をしながらにやにや。「一つ聞いてもいい?日本人はなぜかソニーを選ばないんだけど、なぜ?ソニーも日本のメーカーなのに」「うーん」「それそれ!僕がこの質問をすると、日本人はみな『うーん』って言うんだよね」。実は、私の選択基準は単純に三つの中で一番安かったからだったのですが、他の日本人も一様にソニーを選ばないというのは、彼には興味津々の現象であるようです。ソニータイマーがあるから……と言うわけにもさすがにいかず、適当なことを言ってお茶を濁しましたが、こうしたざっくばらんなやりとりも楽しいものです。

ついで、モンベルへ行って雪山仕様の少ししっかりしたグローブと、カメラを落とさないようにするための細引き+カラビナを買って、これでメンヒ登山の準備は終了です。あとは明日の好天を期待するばかりとなりました。

▲この日の行程。