出発
成田空港に9時半集合。近ツリのカウンターで航空券と、それより大事なコンサート・チケットを受け取りました(と言っても航空券がなければ紙くずも同然ですが)。往路は日付変更線を越え、ダラスでの乗継ぎを経ての12時間弱のフライト。毎度のことですが機内ではすることもなく、ひたすら映画を観続けました。『Spider-Man 3』はアクションに疾走感があるし、ちょっとほろ苦いエンディングもよかったのですが、キルスティン・ダンストがどうにもあか抜けない感じなのが残念。『Fantastic Four: Rise of the Silver Surfer』はストーリーはいくら何でもそれはないだろう?という感じの大仰な展開でひねりも何もありませんが、ジェシカ・アルバが魅力的だったのでまあ許します。しかし一番面白かったのは『Some Like It Hot』(お熱いのがお好き)=トニー・カーティス、ジャック・レモン、マリリン・モンローの名作喜劇です。マリリンは可愛いし、ストーリーも面白く、とても楽しみました。
3本も映画を観るとさすがに目が疲れるので、しばらくは音楽を聴くことにして番組表を見ると「33 1/3」というチャンネルがRock Classicsを特集していて、我らがRushの「The Spirit of Radio」もとり上げられていました。このチャンネルでは他にForeignerやKansas、Styx、Bostonもかかっていて懐かしいと言えば確かに懐かしかったのですが、こうして並べてみると、純粋に現役として作品を発表し演奏を続けているという点でRushはやはり特異な存在かもしれないなと思いました。
ダラス空港で麻薬犬と共に短パン&ヘルメット姿でチャリで巡回するポリスの出迎えを受け、おなじみ靴まで脱いでのセキュリティチェックを経て、今度は3時間弱でトロントに到着しました。
五大湖の中では最も東に位置し、かつ最も小さいオンタリオ湖(それでも四国がすっぽり入るそう)の北岸に位置するトロントは、ケベック州独立運動というリージョナルリスクを抱えるモントリオールを抜いて今ではカナダ最大の都市。飛行機の上からも見えたCNタワーとロジャースセンターが町のシンボルです。
ゲートを出たところで迎えてくれた現地ガイドO氏に案内されて空港からバスで30分で市内に入り、ハーバーフロントにあるそこそこ立派なホテルWestin Harbour Castleにチェックイン。今回はライブが目的なのでその他の出費は徹底して節約することにしており、部屋も他の単独参加者とシェアすることになっています。現地ガイドO氏の差配でルームメイトになったのは、1984年のRush来日時には生まれていなかったという若いT君。彼も食事にはお金をかけたくないということだったので、それならと一緒にホテルの外に出て、徒歩数分で見つけたスーパーでサモサやマリネや飲み物を調達して部屋で質素な夕食としました。カナダでサモサ?と最初は思いましたが、しかしトロントは移民が多くいろいろな人種が住まう多様性の都市なのだそうです。