塾長の渡航記録

塾長の渡航記録

私=juqchoの海外旅行の記録集。遺跡の旅と山の旅、それに諸々の物見遊山。

出発

1998/12/26

旅のスタートは7時7分新宿発の成田エキスプレス。6時半に山仲間ユウコさんと新宿駅で待ち合わせましたが、年末休暇の初日とあって指定席がとれず、立ち席での移動となりました。荷物はミレーの50リットルの中型リュックサックに登山靴と着替えとアタック用のデイパックを丸めて詰めただけなので、まったくかさばりません。マレーシア航空の飛行機は10時30分に成田空港をテイクオフ。機内のアナウンスはマレー語・英語・日本語の順に3カ国語で行われました。

機内の楽しみの一つは映画ですが、この便の中では『Six Days Seven Nights』と『Small Soldiers』を観ることができました。『Six Days Seven Nights』はハリソン・フォード主演のアクション・ラブコメですが、ストーリー自体は案外シンプルというかあっけない感じ。海賊とのチェイスがメインかと思っていたら海賊はほとんどチョイ役あつかいで、上映時間自体も短く「え、もう終わり?」という感じで終わってしまい、共演のアン・ヘッシュが魅力的だったことだけが救いでした。一方の『Small Soldiers』は人間が演じる実写と人形アニメーションの組み合わせで、昔懐かしいレイ・ハリーハウゼンの『アルゴ探検隊』や『シンドバッド虎の目大冒険』を思い出しましたが、人形達の動きもストーリーも抜群によく、理屈抜きで楽しめました。おもちゃのヘリコプターが飛ぶシーンでBGMにワルキューレが鳴るあたりは『地獄の黙示録』のパロディーだし、登場人物が大仰なまでにステレオタイプで笑えます。Zepの「Communication Breakdown」やQueenの「Another One Bites the Dust」がかかるのはどういう時代設定なのか?と考えさせつつも自分的にはツボ。

6時間半ほどのフライトで、雨に煙る巨大なクアラルンプール空港(KL International Airport)に到着しました。国際線が発着するサテライトビル内のCゲートとコタキナバルへ向かうコンタクトピア内の国内線のBゲートとの間には東京の「ゆりかもめ」に似た「エアロトレイン」が走っており、これでコンタクトピアへ移動したのちトランスファーカウンターでコタキナバルまでの搭乗券を受け取ります。ところが、案内所で両替はどこでできるのかと訊ねたところ「サテライトビル内にしかない」と言われて再びエアロトレインで逆戻り。といってもエアロトレインは5分に1本くらいの頻度で発車しており、両ビル間もわずか3分程度の距離なので時間が押す心配はありません。

両替後に再びコンタクトピアに移動してから入国審査を経て搭乗口へ向かうことになりますが、少し時間があったので空港内のカフェテリアでマレー食に初挑戦することにしました。商売上手・勧め上手の店員に言われるままにご飯と各種カレーをとりましたが、こちらのお米は長粒種で、そのまま食べるとぱさついているように感じ、独特の匂いもあります。しかし、チキンやポテトを煮込んだカレーとあわせて食べるとこれがなかなかの美味でした。

国内線でクアラルンプールを発ち、ラブアン経由でコタキナバルに着いたのはほぼ定刻の22時15分。熱帯らしい蒸し暑く重い空気が漂う空港には片言の日本語を話す現地スタッフが待っており、同行が他に40人いると聞かされて驚きました。しかしその大半は一般の観光地に行くツアー参加者らしく、キナバル登山を目的とする者はほとんどいない模様で安心しました。

カラムンシン・ホテル(Karamunsing Hotel)はそれほど大きくはなく、場所も市街の中心からちょっと外れたところにあり、後で聞いたところでは1年前に建ったばかりの新しいホテルとのこと。周囲はまだ造成中と言った感じで地の利が良くありませんが、従業員の礼儀正しさには好感が持てました。ツインの部屋は十分広く、その天井には南国っぽい扇風機が回っていて、これは最初は飾りかと思っていましたが、使ってみると冷房を入れなくてもこれだけでけっこう涼しくなりました。せっかくなのでホテル内を探検してみたいところでしたが、既に23時を回っていたためにこれは断念し、翌日に備えてパッキングをし直してすぐに眠りにつきました。