塾長の渡航記録

塾長の渡航記録

私=juqchoの海外旅行の記録集。遺跡の旅と山の旅、それに諸々の物見遊山。

出発 / クイーンズタウン

2019/12/28-29

旅の始まりは、年末年始連休の初日である土曜日の夕方に成田空港を発つNZ航空のオークランド便。

NZはなんとなくそれほど遠くない国という印象があったのですが、実際には北島のオークランドまで11時間ほどかかります。トランピングの起点となるクイーンズタウンの位置は南緯45度東経169度で、これは北半球に置き換えれば緯度では北海道の北端近く、経度ではカムチャッカ半島よりも東です。サマータイム期間であることもあり、日本との時差は4時間でした。

オール野外ロケのユニークな機内安全ビデオは面白かったものの、映画のラインナップにはこれといって目を引く作品がなかったので飛行機の中ではひたすら眠り、やがて着陸が近づくと眼下には北島の海岸線が複雑なラインを作っていました。オークランド空港に降り立ってNZ航空機の尾翼を見ると黒地に白で印象的な意匠のデザインが施されていて、尾翼の渦を巻いた矢印のようなロゴマークはシダの新芽を指すマオリの伝統デザイン「コル」、機体のデザインもシダの葉を表したものです。

国内線に乗り換えて、南島のクイーンズタウンヘ。北島を離れるときには美しい円錐形のタラナキ山が見え、南島の上空の達すると雲の下に時折雪を戴いた山々が見えましたが、アオラキ / マウント・クックAoraki / Mount Cookが見えているかどうかは判然としません。やがて雲の下に入った飛行機は、細長いS字形をしたワカティプ湖Lake Wakatipuの畔の町、クイーンズタウンへと降りていきました。

クイーンズタウンへ、ようこそ!スパイグラスが手配してくれていた現地案内人(日本人)の出迎えを受け、彼女の運転でクイーンズタウン市内へ向かう道すがら町の様子などを教えてもらいましたが、今年は11-12月と雨が続いてひどく寒く、湖の水位も上がって危うくあふれそうになったとのことでした。

ハートランドホテルにチェックイン。このホテルにはルートバーン・トラックを歩き終えた後にも泊まることになっており、その間トランピングに必要のない荷物を預かってくれることになっています。

夕方に行われるブリーフィングまで時間があるので、ホテルから徒歩20分ほどの駅からスカイゴンドラに乗ってボブズ・ヒルBob's Hillの上へ登ってみました。

どんより曇った空の下でもワカティプ湖は美しい。この湖の水は冷たく、その時々で色を変えるそうです。また、こうして見るとクイーンズタウンの町の小ささもよくわかります。

なるほど、さすがバンジージャンプ発祥の地……。自分には絶対にできない遊びです。

夕方、列車があるわけでもないのにThe Stationという名前のビルの中にあるUltimate Hikesの事務所で日本人参加者向けのブリーフィングが行われました。このツアーはガイドツアーの実施主体であるUltimate Hikesのプライベートロッジを使い、そのキャパシティは40名ですが、我々が参加する日程でのハイカーは36名で、そのうち11人が日本人とのことでした。また、説明の内容はルートのあらましと持つべき物のリストアップが中心でしたが、寒さ対策を万全にすることをとりわけ強調していました。

夕食は案内人さんにもらっていた地図を頼りに町を歩いて「The Fat Lamb」でワイン、サーモン、ラム料理。ラムにほんのり甘みがついているのは蜂蜜の味?NZはマヌカハニーが有名ですが、本物のマヌカハニーは近年かなり値段が上がっているそう。そして、仮にマヌカハニーを使っていなくてもNZでの食事にはずいぶんお金がかかるということを、まずこの夕食で学んだのでした。

翌朝は出発が早いので、朝食を用意しておく必要があります。案内人さんが教えてくれた名店がFergburgerで、ここのハンバーガーは大人気なのですが凄まじい行列ができています。したがって案内人さんのレコメンドは、隣にあるFergbakerでパンやピザを買うのが良いのではないかというもの。行列を横切ってFergbakerの店内に入ってみると、それなりに混んではいるもののすぐにオーダーできて、無事に朝食をゲットできました。

夜の10時頃まで明るいクイーンズタウンの町にもようやく夕焼けが訪れました。明日からのトランピングが、天気に恵まれますように。