パンデ・アイスパーク

2020/01/25

今日からクライミング開始。朝8時にJeonさんとホテルのロビーで再会し、そのまま彼の運転する車でパンデ・アイスパークを目指しました。

あらかじめ写真を送ってもらっていたとはいえ、久しぶりに見たパンデ・アイスパークのこの姿には驚きました。昨年は対岸の人工氷瀑までの川面はしっかり凍っていて普通に歩けたのに、今年は川がまったく凍っていません。当然氷の発達もいまひとつで、登れるラインはずいぶん限られてしまっています。

まずは中央右寄りの30m滝を登ろうということになり、現地合流したJeonさんの仲間の若者を加えた4人で筏で対岸に渡りました。トップロープを張るためにJeonさんが中央の比較的状態の良い場所を選んで登り始め、その途中で私にその右側のやや易し目なラインを登るように指示してきました。いやー、渡韓して最初のアイスが30mのリードですか……。

……と天を仰ぎましたが、見上げる氷壁は角度が70〜80度くらいで凹凸も豊富。氷さえしっかりしていればそれほど難しくないようにも思えます。

意を決して登り始めてみると予想通りアックスがしっかり決まり、足を置ける場所もそこそこあって思ったほど難しくはありません。今回持参したデュアルのアイゼンと氷の相性もよく、慎重にスクリューを使いながらも無事にトップアウトすることができました。この後懸垂下降で戻ってから、ヨーコさんと交代でTRで同じルートやJeonさんが登ったルートを登り、長い氷壁を登る感覚を蘇らせていきました。

いったん筏で戻って昼食に海苔巻きとスライス餅入りのスープ떡국トッククをいただきました。後者はJeonさんの仲間が持参してくれたもので、旧正月を祝って伝統的に食べられる料理だそうです。そういえばお二人には、家族と共に過ごすべき旧正月を私たちのために使ってもらってしまい、知らなかったこととは言え申し訳ないことをしました。

しかし、ではすべての韓国人が旧正月は家族と過ごしているのかと言えばもちろんそんなことはなく、こうして氷瀑登りに精を出している人も存在します。それにしても高い!そしてランナウト!いずれあのてっぺんまで登ってみたいものですが、仮にリードさせてもらえるとすると自分の和風な登り方では何本スクリューが必要になるかわからず、その重みだけで大変なことになりそうです。

昼食後は中央の大氷瀑の左側の60m壁を登ろうという話になっていたのですが、午後になって気温が上がったためか氷が緩み始めており、我々の見ている目の前で上部から氷がぼろぼろと落ちてくる状態です。これでは危険で取り付けないと判断したJeonさんは、最初に登った氷瀑の右側のやや低い氷瀑に狙いを定めました。こちらはつららの集合体でカリフラワー状のハングもあり、リードするとかなり奮闘的なことになりそうですが、幸い左の斜面から滝の上に出てロワーダウンで降りてから取り付くという方法が使えます。

そんな方法で見事にバーティカルなこの氷瀑を交代で2本ずつ登って、この日のプログラムは終了です。

最初に氷の貧相さを見たときはどうなることかと思いましたが、終わってみればとても楽しい一日でした。Jeonさんの仲間に感謝の気持ちを伝えて、旧正月連休の初日で渋滞する道をJeonさんの車でソウル市内に戻りました。

2晩目の夕食は違う店にしようとヨーコさんと町に繰り出し、日本語メニューもある賑やかな店に入ってみました。注文はヨーコさんのリクエストでスンドゥブチゲとイイダコ焼き&サムギョプサル。これは危険だ!と思ったものの案の定、その辛さは辛いものに弱い私の許容範囲を越えていました。ところが、後で聞いてみたところではヨーコさんは焼き豚であるサムギョプサルではなく蒸し豚のポッサムが食べたかったらしく、メニューに載っていた(焼く前の)豚肉の写真を見て深く考えることなく注文したのだそうです。嗚呼、ここで正しい料理を注文していたら翌日つらい目に会わずにすんだのに。