塾長の渡航記録

塾長の渡航記録

私=juqchoの海外旅行の記録集。遺跡の旅と山の旅、それに諸々の物見遊山。

ロブチェBC〜エベレストBC

2018/04/23

歓喜と疲労困憊の一夜が明けて、この日はエベレストBCへの移動日です。

朝食時には大テントは既に片付けられており、青空食堂となりました。ロブチェ・イーストを改めて見上げれば、自分たちが登ったラインも今は明らかです。

なにやら滑稽な朝食風景の後、エベレストBCまでの運搬用の荷造りがせっせと行われました。

トコちゃんはここから馬に乗ることになりました。羨ましい。ただ、ロブチェに登ったメンバーにしてみると本当はここで1日レストしたいところですが、日程の都合上そういう訳にもいきません。

クーンブ氷河沿いの道をひたすら上流へ進みます。この光景のどこに氷河が?と思われるかもしれませんが、実は右の黒い岩の堆積のように見える部分はすべて、周囲の岩屑を巻き上げながら流下している氷河です。

歩き出して40分ほどでロブチェに到着し、Above The Cloud Lodgeで早くも一休みしました。地図によれば、ここからロブチェ・イーストに登る道も存在するようです。

さらに歩みを続けます。前方に顕著に尖ったピークを見せているのは「未婚の娘」という意味を持つプモ・リです。

ゴラクシェプのロッジの屋根が見えてきました。向こうに見える茶色い丘は有名なカラ・パタール。トレッキングツアーの有力な目的地として数多くのヒマラヤ愛好家を集める丘です。

広くて清潔なゴラクシェプのBuddha Lodgeでまたまた休憩。日本人に対して妙にフレンドリーな兄ちゃんが売店を切り盛りしていて、その彼に「ここでWi-FiのIDカードを買うとエベレストBCでも使えるのか?」と聞いたところ自信たっぷりに「使える」との返事だったので、データ量200MBのカードを600ルピーで購入しました(が、実際には使えませんでした)。一方、ロブチェBCからここまでの間もひろみさんの不調は続き、歩くスピードも遅れがち。よって彼女もここから馬に乗ることになりいったん隊列を離れました。

ゴラクシェプからエベレストBCまでの間は、クーンブ氷河右岸の崩れやすい崖の上につけられた道をほぼ水平に歩いていくことになります。もはや植物というものは一切存在しない荒涼とした世界ですが、行く手には雪を戴く山と空。寂しく垂れるタルチョの向こうに見上げるこの光景に、諸行無常を思ってしんみりしていたところ……。

テンションアゲアゲで颯爽と登場したひろみさん。先ほどまでの不調は何だったのか?しかも、エベレストBCからアンゲルが暖かい飲み物をわざわざ持ってきてくれたところに登場するとは出来過ぎですし、この動画の最後の場面でひろみさんを見下ろしているのはベースキャンプからではじかに見ることができないエベレストの山頂です。彼女、やはり常人にはない何かを「持っている」としか思えません。

そんなこんなはありましたが、ついに眼前にエベレストBC(標高5350m)が近づいてきました。

このエベレストBCは、最盛期には差し渡し3kmにも及ぶと言われる巨大なテント村です。一般のトレッキングツアーでは宿泊許可が下りないとされていますが、我々の場合はエベレスト登頂を目指すエベレスト隊に帯同するということで滞在が可能となっています。

この地の「スイートホーム」も、有能で献身的なネパール・スタッフたちの手によって完璧に設えてありました。この日の移動は我々にとってきついものでしたが、実はスタッフたちにとっても厳しいものです。この日の朝に撤収したテントを我々を追い越してエベレストBCに設営し直さなければならないのですから大仕事。本当に、このエクスペディションは彼らの力なくては成立しないのです。

エベレストBCでの最初のディナーはカレー。相変わらず鼻炎や咳はおさまりませんが消化器系は調子を取り戻しつつあり、具沢山のカレーをおいしくいただきました。

▲この日の行程。